ヒトの体はカルシウムの働きにより、健全な生命の営みを持ち続けることが出来ます。ところが、口から摂る経口(善玉)カルシウムの量が不足すると血液中のカルシウム濃度が下がります。それを補うために大切な骨や歯経骨(悪玉)カルシウムを溶かしてまで血液中の濃度を一定に保ちます。骨や歯には大量のカルシウムがあるので、ほんの一部でも溶けだせば血管や脳には経骨(悪玉)カルシウムが溢れます。また、副甲状腺ホルモンは細胞の外から中にカルシウムを入れる働きがありますので、細胞の中のカルシウムが増えて、細胞の中と外(1:10,000)のカルシウムバランスが崩れてしまいます。これが原因で体のあちこちで障害が起こり、このことがあらゆる病気の元凶となってしまうのです。
このように口から摂る善玉カルシウムが不足すると体の中ではかえって悪玉カルシウムが溢れるという不思議な現象を「カルシウムパラドックス」と言います(『カルシウムバイブル』藤田拓男著、あき書房(1985年)。


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